「Chromecast Audio」をもう勝手に始める②

さて、前回記事化したように、Chromecast Audioなる音楽用のGoogle Cast for audio対応レシーバがGoogleから発表されたは良いものの、いまだ日本での発売は未定である。

というわけで僕の書いているTIPSもまだまだ活用価値のあるものだと思うので、引き続きで、色々試した事を紹介したい。

なお、Chromecast Audioが発表されたのに、日本では未発売なんて今の状況だと、逆にこのTIPSが「いずれ日本で発売されるChromecast Audio」のデモンストレーションなんかになってて、不本意ながら良い流れだと思う(笑)

オモロダイブ: ようやっとの真打登場。Chromecast Audioを前のめりで紹介する。
【2016/2/20 追記】日本でやっと発売されたChromecast Audioの使用感などこっちでレビューしてます。




チョロメキャスト・オヂオ

ちょっと前回までの記事が長い(笑)のでこれまでにやってきた事を箇条書きでおさらいしてみよう。

  • iPhoneやiPadからのAirPlayによるリモート再生はとても便利。ただし、常用しているAndroid端末とAirPlayの相性が悪い。
  • Bluetoothは音質的に「実装や仕様限界」が許容できず、あまり使いたくない。
  • Chromecastを音楽用Receiverとして使いたいけどHDMI出力しかないので、普通はAVアンプに挿すしかならなく、性能的にもサイズ的にも許せない。
  • なので「HDMI→SPDIF変換機」を調達して、もうChromecast Audioみたいに使っちゃう。←イマココ

AVアンプに挿すのが許せない、なんて言い過ぎなんじゃないの、と言う意見もあるかもしれないけど、特に僕みたいに、テレビの周辺では無いところにある小型スピーカーで音を鳴らしたい、なんて用途だと、なんとも邪魔で間抜けな見た目になってしまう。

さあ、これを見ていただきたい。我が家の安物のAVアンプは「割と小さい」のであるが、それでもこのサイズだ。比較にNuforceのDiaを上に乗っけてみている。

まさに「Google Cast for audioの氷河期」と呼ぶしかない。

このでかい図体にChromecastを挿して音楽再生専用にするなんてやり方は、到底許容したくない。

それが、今回のTIPSを適用するとこうなるわけである。


なんということでしょう、中華パワーでこんなに小さくなりました。

そして、現時点での完成系がGoogleから先日発表された「Chromecast Audio」である。

まさに「ビバ!21世紀!」

洗練されたChromecast Audioに敬意を表して、僕のシステムは正当なる偽物、似て非なる「チョロメキャスト・オヂオ」とここでは名づけてみる事にしてみる(笑)

こんなに小さいのに比較すると無骨感ハンパねえ(笑)


Chromecast Audio(正)


チョロメキャスト・オヂオ(偽)


(2017/5/20追記)
ちなみにこれを実現する機器は「HDMI Audio Extractor」という物なのだけど、いつのまにかAmazonで購入可能となっていたのでリンクを追加しておきます。


使い勝手はどうなの?(Youtube・動画再生)

基本的な、GoogleCastの使い方については、あまり説明するつもりは無いのだけど、Android標準のYoutubeアプリを起動すると、同ネットワーク上にChromecastがあれば、「テレビと無線の電波を組み合わせたようなアイコン」が表示されて、これにタッチする事で再生中の動画や音楽がChromecastにキャストされる。



ただし、この使い方だと、音声に加えて、動画も合わせてキャストしてしまうので、当然手元の動画は停止した状態になり、音だけがスピーカーから出ることになってしまう。

僕は前に言ったように、Youtubeで気になった音楽(PV)をスピーカーから聴いてみたいだけの用途なので、映像はまあ静止画でも良いのだけど。

なお、Youtubeアプリには「再生リストに追加」なんて機能があって、次に気になる動画もどんどん再生リストに入れておけば、家事の前にリストを作ってしまって、後はそれをスピーカーで聴きながら作業をする、なんて芸当ができて大変便利である。

一点、問題としてあるのがどうしても「1曲目の先頭がバッファリングの関係なのか、途切れてしまう」という問題があって、構成や環境のせいなのか、ここは解消できてないです。

アプリやFirmwareのバージョンアップで改善される可能性もあるけど、現時点ではここは問題として指摘しときます。

まあ、1曲目は捨て曲入れとけば良いんだけど(笑)

音楽をリモートプレイしてみよう!(Orpheus Music Player)

普通なら、Google Playミュージックなりの純正アプリで紹介するのがスジだと思うけど、試しかけたしょっぱなでエラー画面に遭遇して、萎えたので止めておく(笑)

出鼻くじかれるとやる気なくなるよね。なお、解消方法は調査済み。

さて、音楽プレーヤーなんだけど、何を使おうかと言うところで、次のような事を基準に探してみた。

  • Chromecastに対応している事。
  • UIがシンプルな音楽プレーヤー特化のもので有る事。
  • 無料で使える事。広告もうるさくない事。
  • Googleドライブ等のクラウドストレージに対応している事。

この基準を満たすアプリを調べたところ、見つけたのが「Orpheus Music Player」である。

※【2016/2/23追記】このOrpheus Music Playerだけど、バージョン3.0(レビュー当時は2.1)からUIがガラリと変わった上、我が家の環境ではChromecastがほぼまったく動作しなくなってしまったので注意願いたい。現在、原因を調査中。現時点では動作の安定しているAllCastかBubbleUPnPを推奨。Orpheus2.2.1or2.2.2+GoogleDrivePlugin0.2.0は結構安定していたのに、残念。今後の改善を期待したい。

Orpheus Music Player
Orpheus Music Player
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このプレーヤー、Chromecastに対応していて、アプリの基本機能も設定もシンプルで好感が持てるし、プラグインを入れる事で、Googleドライブにも、DLNAにも対応している。しかも、今のところ、基本は無料で利用できるようだ。
※なお、Donate(寄付)によって成り立っているようなのでしばらく使って気に入った人は是非Donateを。

基本操作は特に難しいこともなく、標準のMusicフォルダに音楽を入れておけば、勝手にリストに追加される模様。アルバムアートワークも勝手に拾ってくる。


Chromecastへの伝送もキャストのボタンをタッチすれば、少しネゴシエーションに時間はかかるかも知れないが、しばらく待てば再生が始まるので、まあここはリモートプレイゆえのラグとして我慢するところだろう。

とはいえ、このプレーヤー、実装がシンプルなせいなのか音楽データ自体がそもそも軽いからなのか、結構、このラグも短いように思う。

流石にギャップレス再生はできないけれど。先読み機能のある新型Chromecastはこの辺り、もっと早くなってるかもしれない。そこは期待したい。

あと、地味に大事な機能として「常時スクリーンオン」の機能がある。これは設定でチェックすれば利用できる機能だけど、何故、この機能が大事かというと、Androidはしばらく操作しないと、スリープ状態になって、画面の消灯後しばらくすると、無線が切れてしまうからだ。つまり音楽のキャストもそこで止まってしまう。

もう少しうまいやり方もあるとは思うけど、プレーヤーの画面を常時表示していれば、スリープに入らなくなるこの設定、意外に重要機能である。

なお、僕は画面は消灯したいので、「Advanced wifi lock」という別のアプリを使って、スリープ時にも無線が切れないようにしている。まあ、この辺りは端末によってうまく動かない場合もあるのと、サービスを停止するのを忘れると無駄に電池を食う問題もあるので、もし試す場合はその辺り、注意いただきたい。

ぼくらの未来、クラウド(GoogleDrive)からのキャストを試す

さて、次に今回是非やってみたかったGoogleドライブからの音楽再生を試してみよう。

「Orpheus Music Player」でGoogleドライブを利用するには、プラグインの導入が別途必要になる。とはいえ、Google Play経由でインストールするだけなので、特に難しいことは無いと思う。

Orpheus Plugin - Google Drive
Orpheus Plugin - Google Drive
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プラグインのインストール後にメニューへアクセスすると、「Drive」というリンクが追加されるので、ここをタッチすれば、設定した自身のGoogleドライブのファイルへアクセスができるようになる。



アカウントも特にAndroid側で設定しているものである必要もないので、幾つかアカウントがあれば、容量の余っているアカウント側に音楽データを格納する、なんて芸当も可能。

後はローカルのファイルと、同じようにファイルアクセスできるので、プレイリストに追加して普通に再生できる。なお、流石にアートワークなどの表示は難しいようだが、これはこの方式の限界なので仕方が無い。

ちなみに一番気にしていた曲間の再生のタイムラグだけど、こちらもBGMで流しているくらいなら、あまり気にならない程度で、この程度なら常用可能だと思う。

なんて、淡々と書いたけど、これ、かなり便利じゃね?結構感動した。

世界のどこにいてもGoogleドライブにあればどこでも再生できるし、自宅のPCを立ち上げっぱなしにする必要も無い。容量も15GBまで使えるし、足りなければ月額4.99ドルで100GBまで使える。iTunesのデフォルト設定で取り込んだアルバム1枚のデータサイズはだいたい100MBくらいなので、曲データだけを配置するのであれば、無料でも100枚以上置けるわけで、まあ、入れ替え等はあるかもしれないが、普通は問題にならないと思う。

ちなみに、もう今はクラウドサービスが充実し始めていて、どこでも色々な音楽を聴ける基盤は構築されつつあるけど、やっぱり全てのレーベルの全曲をクラウドで聴けるなんてのは難しいので、聴きたいやつに限って無いとかありそうだし、ローカルクラウド的な物はまだまだ需要があるだろう。

なお、ローカルの音楽ファイルについてはFLAC再生もできるのだけど、GoogleドライブにあるFLACファイルだとファイルが見えないようになっている模様。ちょっと情報が少なくて、これが仕様なのかどうかはなんとも言えないのだけど、Googleドライブ側に配置するファイルはm4aやmp3にしておく方が無難かと思われます。

なお、ちょっとアプリのDescriptionからはよくわからず、不安だった、Googleドライブの曲をAndroid側でさらにChromecastへキャストするのも問題なくできます。

いやあ、Orpheus Music Player、シンプルかつ高機能で良いです。

一点くらい改善して欲しいポイントを挙げるなら、キャストのネゴシエーション状態がアプリ側でわかりやすく表示されるとうれしいかも。まあ、これはアプリ全般に言える事なんだけど。

初代Chromecastもこの用途では必要十分です。Chromecast Audio、実は買わなくてもいけるかも?

まあ、買うだろうけど(笑)安いし。

その他のChromecast対応統合プレーヤー

あまり、ちゃんと紹介するとどんどん長くなるので紹介だけ。先ほどの条件にほぼ適合するプレーヤーとしては「BubbleUPnP」というアプリもかなり優秀だと思った。こちらは、あらゆる形式をChromecast再生可能な形式にリアルタイムコンバートするLocalのレンダリングサーバ機能を備えていたりして、本当に色々な事ができる。

BubbleUPnP for DLNA/Chromecast
BubbleUPnP for DLNA/Chromecast
開発元:Bubblesoft
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ただし、やはりこちらは「メディアプレーヤー」なので、音楽に特化させる場合は普通のプレーヤーに使い勝手が似ている「「Orpheus Music Player」」の方が使いやすいかと思います。

なお、Chromecastのネイティブ再生に対応している音楽ファイルの形式には制限が以下のようにあるので、こういったレンダリングサーバを持っているアプリは特に強いとは思います。

  • HE-AAC
  • LC-AAC
  • CELT/Opus
  • MP3
  • Vorbis
  • Wav (audio/wav)



(2016/2/23追記)

Orpheus Music Playerが(我が家では)何とも不安定になってしまったので、別の記事で紹介しているAllCastもここで紹介に追加しておく。現時点ではOrpheusを使うならこちらを使ったほうが良いと思われる。ただ、これだとGoogleDriveからの再生はできないんだよなー。

AllCast — Cast photos, music, and video to your Chromecast
AllCast — Cast photos, music, and video to your Chromecast
開発元:AllCast LLC
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前回は、AllCast Receiverというアプリを使用していたが、AllCastからChromecastに音声を飛ばす事でも全然問題がない。

オモロダイブ: 「Chromecast Audio」要らず!?AllCastにたまげる
現時点ではBubbleUPnPかAllCastを推奨アプリとしたい。

上記の記事も是非参考にしてみてほしい。




ネットラジオも試してみる(TuneIn Radio)

僕は普段Raspberry Piでミュージックプレーヤーサーバを動かしていて、これをネットワークプレーヤーにしているのだけど、あんまり主体的に聴きたい音楽が無い場合は、そのシステムで「Linn Radio」というインターネットラジオ局の配信している音楽を流しっぱなしにしていたりする。

これと同じような事がチョロメキャスト・オヂオで実現できないかと、ネットラジオ系のアプリを調査してみたところ、iPhone時代から使用している大御所のTuneIn RadioがChromecastに対応している事がわかったので、こちらもちょっと試してみた。

TuneIn Radio
TuneIn Radio
開発元:TuneIn Inc
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うん。こちらも何の問題も無い。あんまりちゃんと動きすぎるもので、書く事もない(笑)

ラジオなので、曲間のギャップを気にする必要もなく、途中の操作も無いので、もう、完全にラジオとして必要十分以上に役目を果たしている。

なお、LINNの配信する音楽データは、ビットレートも320kbpsあり、音源自体の質も良いので、一度聴いてみて欲しいと思う。

うーん、チョロメキャスト、便利だなあ。我ながら自画自賛。いや、Googleも気づいているから、Chromecast Audioを発表したのだと思うけど(笑)




Chromecastの音楽利用は楽しい

ChromecastはHDMI出力しか持っていないため、音楽用途としてはちょっと使いにくいと思ってあまり試していなかったけど、Chromecastを音楽専用で使用するのは、かなりオススメです!

こんな偽物でも十分満足なので、僕のチョロメキャスト・オヂオみたいに「HDMI→SPDIF変換」なんて怪しい変換を含まないChromecast AudioはAndroidユーザとしてはかなり期待していいと思います。

※Appleも対抗として「AirMac Audio」なんて出してくるんじゃないかと本気で思う。

あと、他のApple TVやFire Stick、Nexus Playerなんかとは違って、リモコンも準備されないChromecastは逆に、「画面側の操作で何かさせよう」という意図もなく、単なるキャスト行為のみという今回のような使い方には、逆にアドバンテージがあるようにも思います。

未だに日本での発売日が確定しない、Chromecast Audioを海外から強引に調達するのも良いと思うけど、対応アプリの充実を待つ必要もあるかもしれないので、この初代Chromecastを使ったTIPSもまだまだ活用価値が高いんじゃないかなあ、と思っています。

無理して高く入手せず、発売されてからChromecast2と一緒に買えばいいしね!

そして、初代Chromecastを持っていてあまり映像用途には活用できていない人も、またChromecast2を買って初代が余っちゃったという今後出てくる人にも、このTIPSはかなり有効だと思うのでどんどんEbayから変な機械を買っちゃってください!(笑)

うーん、Amazonあたりから良い機械が調達できると良いのだけど。

なお、幾つか書き忘れのおまけ情報があるので、それはまた次回!中華からパーツが届いてから(笑)

今回、やりきった感があります(笑)

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