テレビはもっと面白い!ボクらはそろそろテレビの音質について考える頃だ。


薄型テレビは、こと音質の観点だけで言えば、ボクは最低の発明だと思う。


なぜなら、そのスペースという物理制約上、どうあがいても「テレビから出る音を高音質化する事ができない」からだ。

この辺りの問題については、もうずっとそう思っていて、過去にも以下のような記事を書いている。ちなみにボクはこの自分で書いた記事が大好きだったりする(笑)


オモロダイブ: 僕らはテレビの音質をもっと気にすべきだ
テレビの音響を改善する重要性について書いた過去記事。


2017年になった事もあるし、この辺り、1年も経過して、色々とその間に書いた内容でアップデートできると思われる事もあって、再度、このテーマで書いてみたいと思う。


新年早々、いったい何をやっているんだという話でもあるんだけど(笑)




前回記事のおさらい


この前回記事の中で、ボクは簡単にまとめるとだいたい以下のような事を書いた。


・「2Kだ4Kだと騒いでいる割には、テレビから出る音に関しては、誰しも無頓着すぎやしないか」という問題
・テレビから出ている音も「十分楽しめるレベルのもの」であり、これを性能の悪い薄型テレビのスピーカーで再生しているのはもったいないという事。
・AVアンプとかマルチチャンネルなんかにこだわらず、コンポでも何でもいいからテレビにつなげて楽しんでみるのがいいと思うという提案。


なお、この辺り、前回はコンポでも良い、としたけど、最近の記事(3万円だけ握りしめて来い!)でコンポより廉価(三万円以下)な、より高音質な構成を検討してみたので、こちらを参考にするというのも良いかと思う。


オモロダイブ: 3万円だけ握りしめて来い!①(予算3万で揃えるハイレゾ完全対応の自宅オーディオシステム)
アンプ周辺を選ぶ第一回。


オモロダイブ: 3万円だけ握りしめて来い!②(予算3万で揃えるハイレゾ完全対応の自宅オーディオシステム)
難しいスピーカー選びに挑む第二回。


別に新しいものを購入する必要も当然無くて、ちょっと大きめのPC用のスピーカーだったり、音楽鑑賞用のコンポなどが自宅にあれば、それをつなげてみれば良いと思う。


きっとそうする事で、想像している以上に、「テレビから出てくる音」に関して、ボクらが無頓着でいた事に気づくはずだと思う。


いや、実際、テレビ周辺のオーディオ環境を改善すると、最初に一番驚くのは、「CMの音の良さ」だったりするのだけどね(笑)


CMの制作なんかは「15秒程度で、見ている人の気を引く」ために、その音に十分な配慮がなされているので、結構良い音で録音されていて、そんな事に気を取られて、逆にCMの内容が耳に入ってこなかったりするかも(笑)


まあ、こんな風に、ちゃんと音に配慮したシステムでテレビを観ると、音楽番組のみに限らず、ドキュメンタリー、映画、アニメ、そしてCMと、本当に驚きも多くて、もうちょっとこればっかりは言葉ではお伝えできないのだけど、絶対に試した方が良いと、何度でも言いたくなるんだよねえ。


テレビ観るのにAVアンプなんていらない


前回も同じような話を書いたのだけど、いざ、テレビ周りの音響を改善しようなんて、家電量販店やオーディオショップ、オーディオマニアに相談したりすると、おそらく「AVアンプ」なるものを薦められる事かと思う。


でもね、一般家庭でテレビを楽しむのであれば、ボクはAVアンプなんて不要だと思っている。


いや、ホントにあんなデカい物を導入する必要ないよ。デカいのはスピーカーで十分(笑)


AVアンプはとにかく、マルチチャネル環境を組まない限りは、内部のパーツ点数も多くなり、コスト的なオーバーヘッドばかり大きくて、「HDMI入力がある以外のメリットは無い」と本気で思っていたりする。


本当のところを言えば、HDMI入力のある、高性能のステレオ+サブウーファー駆動可能なコンパクトな2.1chアンプがあればそういうものを導入するのが良いと思っているのだけど、こういう製品はニッチなのか、残念ながらこの世に存在していない。


そういうわけで、ボクは「光デジタル入力のあるステレオアンプ」を選択して、テレビの背面から光デジタルで音声を出力(※)してアンプに入力するという方式をその代替案として推奨しているわけである。

※ちなみにテレビのデジタル音声出力の設定は2chのPCMにしておかないと音声が出ない場合が多いので注意。ステレオアンプはマルチチャネルを受け付けられないので、この点は気を付ける必要があるだろう。また、テレビ側の音量は「0」にしておかないとテレビとスピーカーの両方から音が出ることになる。音量はアンプ側で調整することになる。


こういう風にテレビから出力する事にしておけば、テレビに入力するソースが何であろうと1系統にまとめられて、テレビ側で現在観ているコンテンツの音声がそのままスピーカーから再生される事になって、非常にシンプルにシステムが構成できて、扱いやすい事かと思う。


なお、自宅のテレビに光デジタル音声出力端子があるかは事前に確認が必要だろう。もしかすると廉価なテレビではコスト削減のために省略、なんて事があるかもしれない。


薄型の新型PS4でもコスト削減という理由で光デジタル出力が無くなったみたいだしね。




ちなみに、3万円だけ握りしめて来いの記事では、廉価な光デジタル入力で最高のパフォーマンスを発揮するフルデジタル方式の単体アンプを紹介したけど、テレビ用途以外に、CDを聴いたり、ネットワークオーディオも楽しみたい、なんて用途であれば、多機能で評価も高い「marantz CDレシーバー Bluetooth・Airplay ワイドFM対応/ハイレゾ音源対応 M-CR611/FB」なんかもふと気づくと、3万円台(アンプのみ)にまで価格が下がっているので、こちらを導入する、というのも悪くないかと思う。

こちらのアンプ、結構前から、CDにもネットワークオーディオにも対応していて、機能と性能がちょうどいい感じにまとまっていて良いと思っていたのだけど、価格がずいぶん落ち着いてきたこともあり、なかなか紹介する機会もないので、この機会に紹介しておきたいと思う。





なお、こちらのアンプを選ぶ場合でも、ただCDとネットワークオーディオの機能(とあとリモコン)が欲しかっただけという事で、特にスピーカーをそれに併せてグレードアップする必要なんてなく、3万円だけ握りしめて来いの記事の中でオススメしたSONYのSS-CS5でテレビ用途&入門用としては十分かと思う。




こういうところ、ちゃんと引き締めて行かないと、音楽やテレビを楽しんでるのだか、ケーブルの素材について調べるのを楽しんでるのだかわからないオーディオの泥沼に引きずり込まれるからね(笑)


「アンプがxx万だと、スピーカーはxx万以上じゃないと」みたいな意見がオーディオ業界ではよくあるのだけど、意味わかんないよね(笑)


スピーカー設置にスピーカースタンドなんていらない




実際、ボクらがスピーカーを導入する際、一番問題となるのが設置の問題だろう。


実際のところ、テレビ周りに潤沢なスピーカー設置スペースがある人がどれくらいいるだろうか。


逆に言えば、ボクのオススメしているアンプ達はサイズが小さいので、ここさえクリアすれば良い、と前向きにとらえることもできるだろう。


おそらく、一般的な家庭であれば、やはり、「スピーカースタンド」なんて物は、あまりに仰々しく、スペースの無駄遣いにもなるので、横に長いテレビ台を導入して、テレビ台の上にテレビとスピーカーを設置するのが無駄も少なく、素直かと思う。


なお、テレビ台のサイズはテレビの大きさに依るとは思うけど、最低でも160㎝くらいは欲しいところだ。なお、可能であれば180㎝程度はあった方が余裕かとは思う。




こういうテレビ台を何とか自宅に導入して、その上に、適当なインシュレーターか足の短いスピーカースタンドなどを設置し、その上にスピーカーを置けば、これでテレビ・映画・音楽・インターネット動画・音楽配信サービスといったマルチメディアを十分に楽しめるオーディオビジュアルシステムが完成する事になる。


うーん、ここが一番自宅設置の上での難関なんだろうなあ。


ボクの個人的な意見としては、植木鉢用の台とか小さめのイスとか、高さの合うものをテレビ横に置いて、その上にスピーカーを設置する事で何の問題もないと思うけどね。




なお、こういうテレビ台にスピーカーを設置する場合は、なるべく壁と、テレビ台から可能な限り離すという事を心掛けると良いと思う。


当然、インシュレーターを使う場合は、当ブログでおなじみの10円玉インシュレーターでも問題なし。


オモロダイブ: インシュレーターは作れる!?① ~オーディオ小ネタ集~
おなじみ、オモロダイブ式10円玉インシュレーター。


下手に全体を完成させてしまうと、常に上を目指すというオーディオ特有の泥沼にはまってしまうので、10円玉インシュレーターくらいを挟んで、「わざと完成させない」という作戦も十分にありなんじゃないかと思うけどね。


あと、余談になるんだけど、テレビ横におけるスピーカー設置については理想形は既に見えていて、テレビ台の上に、FAPSのサイドプレス型のスピーカースタンドを配置して、そこにスピーカーを設置する、というのが結構究極系なんじゃないかと思ってたりする。


だけど、スピーカースタンドだけで3万円以上するので、あまり、一般家庭では現実的ではないだろうね(笑)




ちなみに上記の写真は、ボクにオーディオを教えてくれた後輩のスピーカー設置の写真。


背面も、底面も空間が開放されていて、こういう置き方だと、余計な付帯音もずいぶん軽減される事かと思う。


まあ、こういうELAC辺りの高級スピーカー(10万~20万)以上になって、やっと「スタンドだけで三万」の世界に入門できるんじゃないかと思う(笑)


いつかまともなスピーカーを買うか、もうこれ以上は無いという自作スピーカーが完成したら、ボクも買いたいと思っていたりするんだけどね。いや、きっと似たようなものを作るような気がしないでもないけど(笑)





後は、楽しむのみっ!


さて、年末年始、という事で自宅で過ごす時間も長く、色々な特番なんかをひさびさにゆっくりと我が家の「Nuforce Icon Dia」+「BIC DV62si」というシステムで楽しんでいたのだけど、自宅のオーディオビジュアル環境の優秀さ(というかコスパ)を改めて見直し、やっぱりこの辺り、みんなも試してみて欲しいという思いが強くなって、過去の記事をリバイバルして再度書いてみました。


本当、テレビ周りの音響面の改善は、紅白みたいな音楽番組はまあ当たり前として、大河ドラマ(真田丸)の主題歌だったり、バラエティ番組の効果音、子供が見ているNHKの教育番組やアニメで流れる音楽、ピコ太郎のバックグラウンドミュージックにいたるまで(笑)、本当にテレビ視聴時の音に対する意識が一新するくらいの効果があるんだよなあ。


いや、試した人は本当にビックリすると思うよ。


というわけで、2017年は是非、皆さんもテレビの音声を性能の良いステレオのオーディオシステム経由で出力してみてはいかがでしょうか。


というわけで、2017年もオモロダイブをよろしくお願いします!

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